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2016.06.29日本の人事部

全国4,036社の人事実態調査『日本の人事部 人事白書2016』発刊

今春、株式会社アイ・キューでは、『日本の人事部』会員90,000人(企業の人事・経営者)に向け、大規模なアンケートを実施しました。全12テーマ、164問のアンケートにのべ4,036社、4,130人が回答。調査結果から、企業が抱える人・組織に関する課題やそれに対する戦略、施策がわかりました。このたび、その結果をまとめた『日本の人事部 人事白書2016』を発刊いたしましたので、お知らせいたします。また、調査結果の中から、一部を抜粋してまとめた概要もまとめましたので、ご参照いただければ幸いです。

■調査概要

・調査時期:2016年3月10日~3月23日
・調査対象:『日本の人事部』会員
・調査方法:インターネット調査
・回答数:のべ4,036社 4,130人
・回答者属性:企業の人事・経営者
(管理職(経営者・役員含む) 81.4%、非管理職 18.6%)
・詳細: http://jinjibu.jp/research/

■調査結果概要(全164問の中から一部抜粋)

メインテーマとして、「戦略人事」「採用(新卒)」「採用(中途)」「育成(新入社員)」「育成(中堅・ミドルマネジャー)」「育成(経営人材)」「制度・評価・賃金」「法改正」「ダイバーシティ」「ワークスタイル・働き方」「テクノロジー活用」「人事のキャリアと学び」の12テーマを設定。以下、全164問の結果の中から一部抜粋。

<1>95.2%の企業が「戦略人事は重要である」と感じているのに、戦略人事として活動できている企業はわずか25.8%

最近、経営戦略と人事部門が連動する「戦略人事」の重要性が叫ばれている。その実態について調査した。「戦略人事は重要である」と感じている割合は、「強く感じる」(63.7%)「感じる」(31.5%)を合わせて95.2%。「人事部門が『戦略人事』として活動できている」と感じている割合は、「強く感じる」(5.2%)「感じる」(20.6%)を合わせて25.8%。戦略人事の重要性の認識と現実との乖離がみられた。

「経営戦略と人事戦略のリンクの阻害要因」を自由記述形式で聞いたところ、「経営者が打ち出している戦略が不明確」「人事部門長に戦略の意識がない」「経営陣と人事部との対話不足」「人事部が戦略パートナーとしてみなされていない」「人事部スタッフの能力不足」などが挙げられた。

<2>2017年度新卒採用では、経団連の指針が求めた時期よりも前に「選考」を開始している(開始を予定している)企業が6割

2017年度新卒採用活動では、経団連の指針は「広報開始は3月以降」「選考開始は6月以降」を求めているが、その指針より前に開始している(開始を予定している)のは、「広報」が24.8%、「選考」が59.9%。特に「選考」に関しては指針を守らない企業が6割を占めている点が注目される。

<3>中堅・ミドルマネジャー研修の予算(年間一人当たり)は10万円未満が6割

各階層を対象とした研修の予算(年間一人当たり)を聞いたところ、10万円未満の割合は、新入社員は49.7%、中堅社員(主任・係長クラス)は62.9%、ミドルマネジャーは59.2%、経営人材候補は22.1%。中堅社員・ミドルマネジャー研修の予算がほかの階層と比べて少なく、研修に力を入れていないことが浮き彫りとなった。

<4>「同一労働・同一賃金」賛成派は51.1%、反対派は39.4%

政府が現在検討している、雇用形態にかかわらず仕事の内容に応じて賃金を払う「同一労働・同一賃金」。これに対しての賛否を聞いたところ、「賛成する」(14.1%)、「どちらかと言えば賛成する」(37.0%)と、賛成派は合わせて51.1%。それに対して、「反対する」(13.6%)、「どちらかと言えば反対する」(25.8%)」と、反対派は合わせて39.4%だった。

<5>78.4%の企業でダイバーシティ推進の必要性が「ある」のに、ダイバーシティ推進の施策があるのは40.8%にとどまる。施策がある企業でも、効果が「あった」のは37.9%にとどまり、効果があったかどうかが「わからない」企業が57.6%

自社においてダイバーシティを推進する必要性があるかどうかを聞いたところ、必要性が「ある」が78.4%、「ない」は9.6%。次に、ダイバーシティを推進するための施策があるかどうかを聞くと、「ある」は40.8%にとどまり、「ない」が46.1%。ダイバーシティを推進する施策がある企業に、施策の効果があったかどうかを聞いたところ、効果が「あった」は37.9%にとどまり、「なかった」は4.5%と少ないものの、「わからない」が57.6%となっている。ダイバーシティを推進していても、その効果を実感できていない現状がうかがえる。

<6>男性の育児休業取得を阻害する要因で最も多いのは「業務を代替する人員の手配」で57.2%

男性が育児休業を取得する際、どのようなことが阻害要因となっているのか。最も多かったのは「業務を代替する人員の手配」で、57.2%。次いで、「従業員の意識変革の遅れ」(55.0%)、「男性の育児休業取得を受け入れにくい社内の雰囲気」(53.5%)など、組織風土に関わる問題が多く挙げられた。

<7>「採用」「労務・給与・人件費」以外の分野では、人事部門がデータ分析に取り組めていない

近年、企業の人事部において、HRテクノロジー、とりわけデータによる分析(アナリティクス)の重要性が高まっている。そうした中、人事におけるさまざまな領域で、データがどのように分析・活用されているのかを聞いたところ、「採用」と「労務・給与・人件費」以外の領域では、まだデータが十分に分析・活用されているとは言えない状況であることがわかった。おおむね、「実行していない」が40~50%台で、「わからない」という回答も20%前後みられた。

<8>現在の仕事に満足している人事担当者の割合は64.3%、自身の成長に満足している割合は54.1%だが、自社の人事担当者の育成体制に満足している割合は14.0%にとどまる

人事担当者個人としてのキャリアについても調査を行った。まず、現在の人事の仕事に対する満足度を聞いたところ、「満足」(22.0%)、「やや満足」(42.3%)と、満足派は合わせて64.3%。人事担当者としての成長に満足しているかどうかを聞いたところ、「満足」(14.5%)、「やや満足」(39.6%)を合わせた満足派は、54.1%。自社における人事担当者の育成体制に満足しているかどうかを聞いたところ、「満足」は5.6%と少なく、「やや満足」(8.4%)も合わせた満足派は、14.0%にとどまった。

■本調査結果の二次利用について

・引用する場合は、出典を明記してください。
(表記例)出典:『日本の人事部 人事白書2016』
・転載する場合は、必ず弊社までお問い合わせください。

◎お問い合わせ先
株式会社アイ・キュー 『日本の人事部』編集部
担当:水井(みずい)
TEL:03-3560-2319
E-mail:support@jinjibu.jp

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